30冊本読んだだけの話

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今日ずっと目標だった「春休み中に本30冊読む」を達成できました!

最初は「小難しい本にも挑戦してみるぞ~~」と息巻いていたのですが、10冊過ぎてから「もう無理ピ~~~」と泡ふきながら倒れました。

新書をあまり読めなかった、もう少しペースアップしてTwitterを見る時間減らせばもっと読めた、など反省点もありますが、自分がなかなか読書出来ない人間だったので達成した時は嬉しかったです。

以下は特に面白かった五冊です。

明治学院大学で教鞭を執る筆者があらゆるジャンルにおける「かわいい」について調査、考察した本。プリクラからアウシュビッツ収容所の壁画まで、日頃なじみのある「かわいい」の意味の幅広さに驚かされます。  

「腹を割って話す」「腹を据える」といった言葉を例に出し「腹イコール心」という福田先生の発想が目から鱗でした。食べ物の存在がこんなに作品に彩りを添えているとは…この本を読んでから映画や漫画の食べ物の扱われ方に注意するようになったのですが、より作品を楽しめるようになりました。素敵なオノ・ナツメ先生の挿絵も必見です。この本はなかなか書店になかったのでAmazonで取り寄せました。

 

ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50
 

 

日本美術に対する見る目が変わります。中でも私が好きなのは、室町時代の『松姫物語絵巻』です。描かれている絵はへたくそなのですが、これは悲しいストーリーをより味わい深くするためにあえて素人に書かせたからだそうです。下手絵を愛でる文化が日本にあったのかと、他にもアウトサイダーアートの走りと言われている『六道絵』(多作品のトレースで生まれた)の紹介や『頼朝像』の顔がやたら白い理由など、読みどころ満載です。

 

ヘンな日本美術史

ヘンな日本美術史

 

 

高校生の時『お姫様とジェンダー』を読んだのが若桑先生の本との出会いでした。イコノロジーやイコノグラフィーを使った絵画の分析方法が非常に分かりやすく書かれています。作品の紹介も多いので美術検定の勉強をする時もこの本を読んでおくと頭に入りやすそうです。

 

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

 

 

文庫Xとしても知られているこの本。内容は実際に起きた北関東連続幼女誘拐事件を追ったもので、筆者の調査力、熱意にノックアウトされます。

「特殊な人が特殊な条件下で起こした事件、事故だと突き放さず、寄り添い、苦しみの中から絞り出される声に耳を傾けること、それが報道に課せられたことではないか」

 

全身全霊で事件と向き合い続けた筆者が言うからこそ重みのある言葉。

爽やかな読後感とは言えませんが「読んでよかった、知ってよかった」と思える 本でした。

 

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

 

 

 

読んだ30冊のリストを載せておきます。どれも面白かったので是非読んでみてください。

  1. 『よるのふくらみ』窪美澄 新潮文庫
  2. 『ジヴェルニーの食卓』原田マハ 集英社文庫
  3. 『殺人犯はそこにいる』清水潔 新潮文庫
  4. 『歴史の愉しみ方』磯田道史 中公新書
  5. 『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』黒川伊保子 新潮新書
  6. 『日本の仏像』村越英裕 宝島文庫
  7. 『「かわいい」論』四方田犬彦 ちくま新書
  8. 『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』福田里香 太田出版
  9. 『修復家だけが知る名画の真実』吉村絵美留 青春出版社
  10. 『承認をめぐる病』斎藤環 ちくま文庫
  11. 『犬とハモニカ江國香織 新潮文庫
  12. 『さみしくなったら名前を呼んで』山内マリコ 幻冬舎文庫
  13. 戦闘美少女の精神分析斎藤環 ちくま文庫
  14. 『名分どろぼう』竹内政明 文春新書
  15. 『ヘンな日本美術史』山口晃 祥伝社
  16. 『読者ハ読ムナ(笑)』藤田和日郎 小学館
  17. 『イメージを読む【美術史入門】』若桑みどり ちくま学芸文庫
  18. 『書く力』池上彰・竹内政明 朝日新書
  19. 齋藤孝の速読術』斎藤孝 ちくま文庫
  20. 超訳「芸術用語」辞典』中川右介 PHP文庫
  21. 『紅一点論』斉藤美奈子 ちくま文庫
  22. 『日本人の叡智』磯田道史 新潮新書
  23. 『売れるキャラクター戦略』いとうとしこ 光文社新書
  24. 『ひとはなぜ服を着るのか』鷲田清一 ちくま文庫
  25. 『ポケットに名言を』寺山修司 角川文庫
  26. 『焼きそばうえだ』さくらももこ 小学館文庫
  27. 『カラーひよことコーヒー豆』小川洋子 小学館文庫
  28. 風葬の教室』山田詠美 河出文庫
  29. アウトサイダー・アート服部正 光文社新書
  30. 『同時通訳者の頭の中』関谷英里子 祥伝社黄金文庫

大好きです、シン・ゴジラ

シン・ゴジラのブルーレイがついに明日発売とのことで、そわそわと先ほどからAmazonの発送状況を見守っております。

 

 

 

事前に買ったアートブックと照らし合わせながら観るなんてオツなこともしてみようかと届く前からウハウハしております。

 

全く観ていない方にご説明しますと、この作品は突然現代の日本に出現したゴジラに日本がどう立ち向かっていくかを描いたものです。


キャッチコピーの「現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)。」がこの作品のすべてを表しています。

 

(ここから若干ネタバレです)


この作品ではリアリティが重視されていて、鑑賞中私たちは虚構であるはずのゴジラの重みを感じることが出来ます。それは、卓越したCG技術や特撮技術はもちろんのこと、この作品の大きな特徴である政府による長々とした会議シーンから生まれたものだと思います。

 

従来の怪獣映画によく見られる『怪獣が攻撃→即座に反撃する人間』という流れだと観る側が人間側の強さをよく把握しきれていないまま話が進んでしまい、反撃を受けた怪獣が平気でも観る側は「そりゃそうだ」と思ってしまいます。


しかしこの作品は政府の上層部や自衛隊によるゴジラ反撃のための作戦会議、その作戦準備の描写を長々と見せます。つまり攻撃までの正式な手順をしっかりと見せるわけです。そしてその反撃にびくともしないゴジラを見せることで、「国のトップ達の知恵を絞った策でも通用しないのか・・・」と、よりゴジラの強さを強調するのに大成功しています。


また、人間ドラマを極力排除することであたかもドキュメンタリー映像を見ているような気分になり、ゴジラの現実性を高めるのに一役買っています。
観ていくうちに「ゴジラ」という架空の生き物が本当に現実世界で暴れているような気持ちにさせてしまう仕掛けはここにあったのです。

 

 

この作品では建物や電車の扱われ方にもぜひ注目して見ていただきたいです。今までのゴジラ作品を見ると、建物はなぎ倒され、炎で燃やされ、電車に至っては引きちぎられてぶん投げられるなど散々な扱いでした。

f:id:bakubaku627:20170321213537j:plain ←散々な扱いを受ける電車


しかし今回は従来とは大きく異なり、なんと建物や電車が武器として活躍します。浮世離れした兵器ややたらカッコイイ戦闘機は登場しません。倒壊させた建物がゴジラに襲い掛かるシーンでは、まるで建物が鉄拳のように見えます。建物の下敷きになり身動きがとれないゴジラに『無人在来線爆弾』と称する爆弾が積まれた電車が猛スピードで突っ込みます。


私たちの日常に当たり前に存在する建物や電車は現実の象徴と言っても良いでしょう。その現実の象徴がゴジラを倒そうと戦う、まさに現実と虚構のぶつかり合い。

激アツです。

 

他にも熱い会議シーンや、野村萬斎演じるゴジラの動きなど見所満載なのでぜひ食わず嫌いせず観てください。

 

 

参考資料

#細かすぎて伝わらないシン・ゴジラの好きなところ選手権 #シン・ゴジラ【ネタバレ注意】 - Togetterまとめ

 

www.youtube.com

はじめに

四年ぶりぐらいにまたブログを始めてみました。

先日部活でオススメ映画の記事を書く機会がありまして、

あまりにも貧困な自分の語彙力、文章力の無さ、書くスピードの遅さに唖然としてしまいました。

大学ではレポートという存在があるものの、あらゆるものの感想文を求められた高校の時ほど長い文章を書く機会が無いので脳みそがだんだん腑抜けてきていたんですね。

「好きなことでもいいからもっと文章を書く機会を自分に設けよう」と今回始めてみました。動機からして頭弱い感じが否めませんが、三日坊主にならないように頑張ります。

拙い文章ですが、鼻で笑っていただけると嬉しいです。

そういえば中学の時に初めて書いたブログでも、「生暖かい目でみてもらえると嬉しいです」とか書いてた気がします。書き方がまるで成長してないですね。

数年後にはTwitterのRT記事にたまに出てくる「何やら小難しいことを言っているはてなブロガー」になりたいです。